多重録音の記事で電子ドラムでも入力できると書いていますが、電子ドラムでもマンションで叩くとなると音の問題が少なからずあるようです。叩く音、特に低く鈍い打音がというのは、マンションでは構造物を使って音が伝わりやすいようで、音の小さい電子ドラムでも場合によっては階下の部屋に伝わることもあるようです。
電子ドラムの消音方法ではいろいろあるようですが、自分の経験から効果のあった方法をご紹介したいと思います。同様の方法がネットでもいくつか紹介されています。
その方法とは。「バランスパッド土台方式」(この名称は私が勝手につけたもの。名称がないみたいなので)です。具体的には、床と電子ドラムの間にヨガで使うバランスパッドを挟む仕組みで、バランスパッドのクッション性で伝わりやすい低い打音を吸収してしまおうというものです。少し工作が必要ですが、置くだけですので工作というほどのものではありません。バランスパッドの名称は商品によっていろいろ異なるようですが、要はヨガレッスンで使う(らしい)円盤状で両側にブツブツがついたクッション(空気を入れて使う)です。フィットネスなどのまん丸のバランスボールではありませんのでお間違えのないように。
構造
断面図をご覧ください。下から床、滑り止め、バランスパッド、滑り止め、コンパネ、滑り止め、電子ドラムの順です。
椅子は、別の土台に載せます。椅子の土台は適当なものがあれば良いですが、なければしっかりした木の箱を作るのが良いと思います。雑誌等を積み重ねてコンパネを置いても良いと思いますが、椅子の土台はふわふわすると叩けません。
バランスパッドというのが意外と高い(といっても4つで数千円)以外は、100均とかで揃います。材料費は1万円以下で収まるのではないでしょうか。
滑り止めは消音的にはなくても良いのでしょうが、叩いているとズレてくるので必要です。
この図を見ると上に載っている電子ドラムはふわふわ動くので叩きにくいのではないかと思われるかも知れません。実際ふわふわはします。しかし、想像するより、実際叩くのにはまったくと言って良いほど問題になりません。
材料の整理
ドラム用
上から
1.滑り止め
電子ドラムが動かないようにするもの。100均の滑り止めやブロックカーペットを両面テープで貼るなど。
2.ベニヤ板
15mmくらいの厚みがないと安定しません。タテヨコの寸法は置きたい電子ドラムが安定して置けるサイズ。
3.滑り止め
バランスパッドとベニヤ板を滑らないようにするモノ。テープで這っても良いですが、位置の調整がしにくいかも知れません。ベニヤ板側に滑り止めを貼るのがやりやすいと思います。
4.バランスボール
この仕組みの要です。フィットネス用のバランスパッドを4つ。前後に2つずつ置きます。
5.滑り止め
バランスパッドを直接床に置くよりカーペットで固定する方が滑りにくく消音効果も増すと思います。すでにカーペットの床に置く場合は不要かも。
椅子用
上から
1.滑り止め
ドラム椅子の脚にはゴムが付いているので不要の場合もあり。
2.ベニヤ板
椅子を載せられるものなら何でもOK。ただし、厚いもので安定させないと叩きにくい。
3.高さを稼ぐもの
漫画などの雑誌を積むと高さ調整もしやすいです。ない場合は、ベニア板で箱状のものをつくれば理想的。
効果
原始的な仕組みの消音装置ですが驚くほどの効果があります。階下の部屋には、深夜でない限り、まったく音は聞こえないと言っても良いと思います(マンションの床の構造や材質的な影響の差はあるかも知れません)。深夜に叩いたことはないですが、階下が寝室でなければ聞こえないのではないでしょうか。それくらい音がしません。土台がふわふわするので叩きにくいのかと思いきや、まったくと言っていいほど叩きにくさはありません。
電子ドラムを使って階下に気を遣いながら叩いている人はお試しあれ。