〜ピエゾマイクとプリアンプの交換〜
インターネットで情報が探せて通販で何でも買える時代です。さらに対話型のAIが普及し、情報の取得や整理がさらに便利になりました。とくに蓄積された情報の利用は、自分で調べるよりAIを使うと飛躍的に早くて効率が良いです。そんなAIは楽器の調整や修理面でも心強い相棒になってくれます。アイバニーズのガットギターのプリアンプシステムを交換した作業をご紹介します。定価で5万円くらいのギターですが、少し浅胴で弾きやすくとても素直な良い音がします。
故障の状況
1年前にこのギターを久しぶりに使おうと思ったら音が出なくなっていました。基本的な点検をしましたが音は鳴らない。どこかが故障しているはず。
チューナーは機能しているのでピエゾからプリアンプには信号が来ているのではないか。電力供給も問題ないのではないか。とすれば、出力側のジャック等々かなと思いつつも原因不明で放置していました。
AIに聞いてみる
AIが日常的に使えるようになり、そうだ、Chat GPT(以下チャッピー)に聞いてみようと思い立ち聞いてみました。トラブルの症状とギターの型番とシリアル番号を教えると、エレアコのありがちな故障、そのギターの特性特徴を教えてくれて、私が多少の電子工作ができることや工具環境を伝えるとあっという間に点検すべき項目を優先順位をつけて提示してくれました。凄いですね。まるでアドバイザー。
点検
電源やジャックの導通やピエゾの点検などを経て、ひとつは出力側の電解コンデンサが劣化しているのではないかという可能性を示唆されました。そこでコンデンサを交換。しかし解決しません。導通を追っていくと、ピエゾからプリアンプに入るコネクターの部分で導通がありませんでした。プリアンプの出力側では導通があるのにです。どうやらプリアンプの前段に原因があるようです。
しかし、ふと考えるとそれを追求する手間や修理の結果予測を考慮すると、いっそうのこと全てを新しいものに変えた方が早いのではないかと思いました。チャッピーに訊ねてみると、その方が合理的だと。このギターに付いているプリアンプは20年も前のものです。20年もあれば電子機器はかなり進化しています。新しい方が性能が良いことは明白です。骨董的価値がなければ交換した方が早くて良い結果が得られるはずです。
またイマドキのプリアンプにはコンデンサマイクが内蔵されていてピエゾとブレンドできるんですね。ピエゾはクリアですがどうしても金属的で平たい音になりがちです。そこにコンデンサマイクの空気感をプラスできるのはとても良いです。



私はそれがしたくて、アダマス2を使うときにはライブによってはオンラインに加えて、シュアーのラベリアイク(Saxなんかでよく使っているヤツ)が着くようにしてサウンドホールの音を拾いミキサーでブレンドしていました。それが内蔵でできるのは理想的です。やはり新しい機器は進化していますね〜!それで一気に交換しかない、いや交換したいと思いました。
プリアンプの選択
Amazonを見ると安価なプリアンプがたくさん売られています。その評価をチャッピーに聞いてみると良いものも出ているので試してみる価値ありと。
注意しないといけないのは、プリアンプのパネルの形状です。このギターはフラットですが、ボディのカーブした箇所に取り付ける用にパネルもカーブしているものがあります。これは取り付けにかなり苦労するし美しくなりません。
Amazonで安価に売っているものの中でコメントが多く付いていて比較的高評価のものを買ってみました。失敗しても惜しくない価格です。FISHMANにあるのと同じタイプ。と言うかコピーモデル?って感じ。画像をチャッピーに見せると「いいんじゃないかという反応」。果たして荷物が届いてみるとFISHMANのロゴが!チャッピーに聞くとOEMラインのものではないかと。へえ〜。真偽は分かりませんが、なんかラッキー(笑)



取り付け
前のプリアンプのジャックは、バランス型とセットになっていましたが、新しいジャックはアンバランス型のエンドピン一体型のみです。と言うことは、エンドピンのところに大きな穴を開けないといけません。あまり加工を増やしたくないので前のジャック穴を活用することにしました。



取り付け穴は、やすりで広げる程度の加工が必要でしたがうまく入りました。パネル取り付けのネジを裏で受けるパーツが入っていました。ボディ側面は薄いから木ネジでは止まりにくいためでしょう。パーツはポリエチレン製で一度両面テープでつけてみましたがうまくいかず、木工ボンドてつけました。ポリエチレンと木工ボンドなら万一外したい時も簡単に外れます。



ちなみにプリアンプとジャック側のコードはコネクタで接続。ハンダ付けは不要でした。ピエゾはコネクタ接続ではなく、プリアンプに繋がれた状態だったので、ギターの内側から通してブリッジ下への装着が必要で、少し要領が必要です。私は細い配線コードをブリッジ側から通して、ピエゾを迎えに行き一緒に穴に通してくるようにしてブリッジまで持ってきました。
音出し
取り付けが終わり弦を元に戻して音を出してみると特に問題はなく、コンデンサマイクのブレンドが新鮮です。トーンコントロールはピエゾにしか効かないようで、コンデンサマイクはあくまで味付けですね。実際コンデンサマイクをあげすぎるとハウリングを起こしやすくなりますしね。
添付されていた取説にも推奨のブレンドが記載されています。


諸々所感
ライブでカットギターを使う場合には、音量や音色のコントロール、エフェクトの面でピエゾによる出力は便利です。しかし宅録その他でマイクが使えて音色コントロールできる環境ならマイク録りの方が良い音だと思います。
今回思ったのは骨董価値やオリジナル性を求めない場合、演奏面だけを考えると古いエレアコのプリアンプを(例え故障していなくても)交換すると言うのは、意味があるだろうと言うことです。
なおAmazonで安価で売っているようなプリアンプには取説も何も付いていないので、付属しているパーツや本体の仕様を自分で解釈して工作しなくてはなりません。ある程度の経験がないと失敗する可能性もあるので、安易に取り組まない方が良いと思います。しかし、AIというものが使えるようになって、こういった作業の精度や効率は大きく高まったと思います。

新しいプリアンプのパネル
特別変わったものではありませんが、最下段の中央にピエゾとマイクをブレンドするツマミがあります。ピエゾ音に好みでコンデンサマイクの空気感や胴鳴りを少し足すという使い方が良いのだと思います。チューナーは明るくてとても見やすいです。bass-middle-trebleのコントロールは効きが良いので多彩な(というかその場にあった)音作りができます。コンパクトにまとめられた使いやすいパネルだと思います。
電池はこのパネルが手前に開き裏側に006Pタイプが入るようになっています。電池交換もしやすいです。
※今回使用したプリアンプです。



