エフェクターの順番について

機材・装置
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かつては、アンプ直、いっぱ〜つ!みたいなロックバンドも多かったですが、今では何らかエフェクターを使っている人が99%ではないでしょうか。人によっては10個以上つなげていて、そんなに繋ぐとギターの原音なんてなくなっちゃうんじゃないかと思いますが(笑)とはいえ、3〜5つくらいは普通に使っていると思います。マルチエフェクターなどでも(例えばZOOM MS-50Gとか)でも6個までエフェクトを設定できます。それは昔と違って、エフェクトというより音響の調整用のエフェクターなどもでてきてそういうものを組み込むからですね。

順番の基本的な考え方

複数のエフェクターをセットするときにしばしば悩むのがその順番です。基本的にルールはなくていろいろな考え方があって良いと思いますが、中には特性から順番によって効果が変わってくるものもありますので一考が必要です。ただ、その判断基準は最終的には「好み」だと思いますが。

ひとつ基本的な考えになるのが「歪み系」の扱いではないでしょうか。「歪み系」というのは、そもそもロックギターにおいて、アンプで歪ましていたものを手軽にコントロールできるようにエフェクター化したものです。本来はアンプで歪ませるはずが、あるいは歪みを足すために、足下で歪ませるになった。

だから、基本的には最もアンプに近いところに置くのが基本と思います。ただそれは、昔のロックの話で、現代の多様化したサウンドでは必ずしもそうでなくても良いはずです。とはいえ、その生い立ちを頭の隅に置いておくと効果や順番が考えやすいのではないでしょうか。歪み系の前に置くか後の置くのかというのが最初の判断になるのではないでしょうか。

タイプ別順番考

音質調整系

●イコライザーやクリーンブースター、バッファーペダル、プリアンプ、コンプ、アコースティックシュミレーターなどがこのカテゴリーに入ると思います。これらは、すべて基本的な音質を調整するものなので、一番最初につなぐのが順当です。これは好みに限らず、理屈から考えて最初に繋がないと意味がないと言えます。では、この中のものを複数使う場合はの順番はどうなるのかですが、
●バッファーは、インピーダンスを下げるモノなので、一番最初でなければ意味がありません。ただ、バッファーはスルーバイパスのエフェクターを使わない限り他のエフェクターでも代用できるので、使わない人も多いと思いますが。
●プリアンプは、文字通りプリなのでエフェクトを書ける前の音を調整する役目です。これも最初ですね。
●イコライザーとクリーンブースターはその次になると思います。イコライザーとクリーンブースターを併用する場合は好みによると思いますが、イコライザー+クリーンブースターの順の方が調整しやすいのではないでしょうか。これらの併用は、音抜けが良くない場合に意外に効果があったりします。

モジュレーション系

ここでいうモジュレーション系は、コーラス、フェイズシフターやトレモロ、フランジャー、レスリーシュミレーター等です。
●これらは、基本的には歪み系の前におくのがよいとは思いますが、効果の違いは、概ね前に置くと自然ですが歪みを上げるとワイルドになります。後に置くと歪みを増やしてもワイルドにはなりませんが、歪んだ音にモジュレーションをかけるので濁ったイメージになりがちです。
●トレモロは音質を変えるのでは無く音量を変えるので、歪みの前に置くと歪み度合いも変化し、後に置くと歪み度合いは変化しません。

ワウ系

ワウ系は歪みの前後で効果が変わりやすいエフェクターです。
●ジミヘンのようなワイルドなワウ音を求めるなら歪み系の前です。とくにクライベイビーのような「ギャウッ」という音や倍音が鼻声のように詰まったサウンドは、歪みの後におくと得られにくいです。ワウは歪みの度合い次第でサウンドが大きく変わりますので、そのバランス次第ですね。こういう効果はオートワウでも同じです。
●トーキングモジュレーターもワウ系です。ただ特殊なものなので使う方は少ないと思いますが、昔のジェフベックをやるなら必須アイテムです(笑)これはその装置の仕様にもよりますが、できるだけ素直な音の方がよいので調整系の後が良いです。ただ、トーキングモジュレーター自体に歪みが組み込まれていない場合は、歪みの後である必要があります。少し歪んでいる方が効果があります。とはいえ歪ませすぎると音が濁るのでクランチくらいの軽い歪み。軽いブースターくらいのものが最適です。ちなみにロクトロンの「バンシー」は、装置自体に歪みが入っていて調整できるようになっています。

歪み系

歪み系ほど手軽かつ奥が深いエフェクターはないのではないでしょうか。アンプとの相性でもサウンドが違ってきますので、どれがベストかと言えないエフェクターですね。冒頭にも書いたように、アンプで歪ますところを足下に持ってきたわけですし順番としては後の方になると思いますが、リバーブやディレイは歪みの後もアリなので本当に好みで決めるしかありません。

残響系

リバーブやディレイになりますがリバーブとディレイでは特性が異なります。リバーブなどは総合的な残響効果なので本来はアンプの後になるものです。
●エフェクトでリバーブを使う場合はアコギ系かアンプをクリーン設定で使う場合だと思いますので、やはり一番後がよいと思います。
●ディレイは特性からすると歪みの前になりますが、歪みの前後によってディレイのフィードバック音のサウンドが違ってきますのでこれも好みになりますね。

その他

●チューナー
チューナークリーン音が良いので一番頭ではないでしょうか。バッファーと併用したモノもあるので、前段に置くことが想定されていると言うことでしょうね。

●ピッチ系
オクターバーやピッチシフター、リングモジュレーターも歪み系の前に入れる方が効果がクリアです。


マルチストンプは、小さいながらひとつもっておけば、ドラえもんのポケット!


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