スイングアウトシスター

ミュージシャン
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1980年代にイギリスで生まれたスイングアウトシスターというバンドは、「Breakout」や「Am I a Same Girl」などのヒットを持つポップバンドです。古いソウルの曲のカッコいいカバーなどが聴けます。ロック好きにはあまりなじみがないバンドと言えるかも知れません。

イギリスのミュージシャンの特徴は、アメリカの泥臭い音楽に憧れてそれを取り入れたり演奏したりするのですが、元の汗臭さや泥臭さがなくなって洗練された感じになってしまうところです。クラプトンのクロスロードしかり、第二期ジェフベックグループしかり。そのあたりが面白いところで、元曲は汗臭くてあまり好きになれなかったのがイギリスの人のカバーで好きになったりということも起こります(個人的には)。
若い頃は、クラプトンが演奏するブルースがカッコイイと思いましたが、その元の黒人ミュージシャンの演奏はそれほどピンと来ませんでした。今でこそ、その深さというか味が分かりますが。

スイングアウトシスターも、「Am I a Same Girl ※」など古いソウルをカバーしたり(アレンジもそのまま)するのですが、元曲にある独特のアメリカンソウルの熱気みたいなものがクールになって、もっとモダンなイメージになっています。ボーカルの歌声やシンセなどの楽器によるものもあるでしょうが、このバンドの持つ独特のポップ感覚やフュージョン感覚によるものではないでしょうか。

※元は「Soulful Strut」という曲でインストルメンタル。後にボーカル入りのバージョン「Am I The Same Girl」(実はこちらの方が録音は先)が発売される。ホーンアレンジがカッコ良い曲。

キーボードがいるバンドでは、キーボード奏者のハーモニー感覚というか、和音の世界観がバンドに濃く反映されてバンドのテイストを担う部分も多いと思いますが(例えばクルセダースのジョーサンプルやイエロージャケッツのラッセルフェランテ、あるいはジェフベックにおけるマックスミドルトンやトニーハイマスなど)、このバンドにも独特のハーモニーの世界観があって、「Forever Blue」「Now You’re Not Here」のどこか懐かしいようなそれでいて新しい世界へ行くような浮遊感が個人的にはとても好きで、このバンドにはこういう浮遊感があちこちに漂っています。
マニアックなのにポップでモダン、なのにどこか懐かしいという独特の世界観があります。
また、このバンドは同じ曲でも、時代によって全く違うアレンジで演奏されるのも面白いところです。ヒット曲の「Break Out」などはバンド形態、エレクトロ系、ガットギターなどいろいろなバージョンが存在します。
また、ソウルのクラシック「La La Means I Love You」をこれまた定番の「What’s Going on」的なアレンジで演奏するなど、ウィットというかひねりの利いた演奏で楽しませてくれます。ご存じない方にはぜひ聴いてみて欲しいバンドです。特にソウル好きの人には面白いと思います。


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