アドリブの第一歩。

弾き方
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巷にあふれるギター講座の情報の中、初心者向けの情報もたくさんあります。それらが無料で見れるのだから良い時代です。ただ、それぞれに講師の方の考え方があって、いろいろな「ギターの上達法」が発信されています。そうなると何が正しいのか、初心者ほどわかりにくいのではないかと思います。我々の時代は、過去にご紹介している「成毛滋ロックギターメソッド」があった(しかなかった)ので迷わずそれに従いましたが、情報が多すぎるのも困りものです。

その中で「初心者がアドリブを弾けるようになるには」的な情報も多く、それぞれに工夫されているのですが、中には、「それ、どうなんだろうなぁ」という思ってしまうような内容も少なくありません。最初にスケール練習を促し、何度も弾いておぼえましょうとか、コードトーンをおぼえましょうとか、まずおぼえることを促す内容が多いですが、それではなかなか弾けるようにならないのではないかと思います(そういう風にして受講に導くマーケティングかも知れませんが)。ジャズとブルースでは、少し違うところもありますが、共通するのは、「言葉をおぼえないとしゃべれない」ということです。

最初にすること、次にすること。

スケールやコードトーンは大事なことですが、最初は、覚え込まなくても、こういう音を使うのだという程度の憶え方でよいと思います。重要なのはフレーズです。例えばブルースなら、最初どんなフレーズでまず弾き出すのか。それは、好きな演奏でも良いし、自分の知っている演奏の出だしでも良いと思います。まず弾き出しの2小節くらいのフレーズをおぼえる。つまり耳コピーですね。短いフレーズならコピーしやすいです。ただし、それが、スケールのどの音を使っているのかは確かめておく方が、後々上達が早いです。決してスケールやコードトーンを憶えなくてよいと言うことではありません。

とにかく短いフレーズを憶える。

「最初の弾き出し」と言ってもいっぱいあります。2小節くらいのコピーしやすいフレーズをとにかくコピーしておぼえていく。そして、弾き出しがいくつか弾けるようになったら、中間の短いフレーズをコピーしていきます。ランダムで、ぶつぎれでも良いのです。1小節〜2小節程度の短いフレーズを憶えていきます。そうやっているウチに、それを繋いで弾けるようになります。あるいは、それらがスケールのどの音を使っているか分かるようになります。

アドリブは、会話と同じ。

英語の勉強に例えて言えば、スケールというのは、ABCDEFG〜〜のアルファベットなのです。だからそれだけ知っていても話すことはできません。アルファベットというのがあるのだと言うことを知った上で、「What Is This?」という言葉をおぼえましょうということなのです。あるいは「This Is A Pen」(笑)でも構いません。それをおぼえたら、Penの代わりにAppleを入れたら、違う意味の言葉を話せます。そういう風に、アドリブも会話と同じで、まとまった短いフレーズや単語をおぼえていくことで、それらをつなげて会話ができるようになっていきます。

短いフレーズをつなげていく。

ギターの話に戻ると、ギターの方がもっと簡単です。英語のように意味がありませんから、格好いいなと思う短いフレーズをどんどんおぼえていくと、やがてその中でつなげて演奏できるフレーズに気付きます。そうしたらつなげて弾いてみます。おっ!という感動があります。そうやって、おぼえた短いフレーズをどんどんつなげて弾けるようになると、つなげかたや、そのタイミング、弾かない間、などでもかっこよさが違ってくることにも気付きます。

耳が慣れてくる&感覚も生まれてくる。

そうやっていると、CDなどの結構長いフレーズもおよそのラインをコピーできるようになって来ます。耳が慣れてくるからです。そうなる頃には、どんなフレーズが、スケールのどの音を使っているのかや、どの音を足せばいい感じになるのかなど、スケールの中の音の効果なども分かってきます。さらに、コードトーンに対して、どの音を弾けばちょっと緊張感や不安定さがでて、どれを弾けば安定して、それがまたカッコ良い感じになるなどの感覚も分かってきます。

その時点では、もう立派に2コーラスくらいのアドリブが弾けるようになっているでしょう。

感動を重ねながら練習する。

重要なのは、スケールやコードトーンを少し知った上で、短いフレーズを次々におぼえていくということです。いきなり長いフレーズは無理ですし、上達が遅くなります。スケールやコードトーンを憶えるまで弾くのは退屈です。退屈なことは身につきません。例え短いフレーズでもカッコイイと思っているフレーズが弾けると感動します。その感動の連続を作ることで楽しく上達していきます。
理論などは、ある程度弾けるようになって、感覚的になんとなく分かってからの方が理解が早いです。


上記のようなことを達成していくと、ロックのフレーズも弾けるようになります。ロックギターのフレーズは概ねペンタトニックでできていますから、コードが分かっていれば、フレーズをコピーするのは、そんなに難しくないはずです。
ジャズの場合は、曲によっては転調があったり、コードの流れをどう解釈するかによって弾き方も変わってくるので、そのあたりの考え方を踏まえないとコピーしても自分のモノになりにくいところがあります。しかし、そのレベルになっているなら、知識も分かってきているのではないかと思います。

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