エレガントでカッコ良いボニーレイット。

ミュージシャン
この記事は約4分で読めます。

アメリカの女性歌手には、ギターを弾きながら歌うという人が多いですね。ベースには、カントリーミュージックのスタイルがあるからだと思います。ナッシュビルのミュージシャンを見ていると、スチールギターをめちゃくちゃ上手く弾きながら歌う人もいて、日本では無名だけどアメリカではスーパースターというような人がいっぱいいるようです。

アメリカの女性歌手はこういうイメージのジャケットが多いような気がする(笑)

同じようにボニーレイットは、ギターを弾きながら歌いますが、デビュー当時からスライドギターの名手としても有名で、ロウエルジョージリトルフィートがなくなった際に、リトルフィートのギタリストとしての候補にも挙がっていたそうです。
そしてギターも上手いですが、ハスキーな声とブルージーな歌い回しのカッコ良い歌も大きな魅力です。
ステージでも存在感があります。カントリー系の女性歌手には、ドリーパートンに代表されるエレガントなThe American Lady(そんな言葉があるのかどうか知りませんが)といったイメージの人が多いですね。ボニーレイットもそういうエレガントな見た目には意外なハスキーでブルージーな歌声、それに洗練されているのに充分泥臭いスライドギターという、いろいろな魅力を備えた人です。若い頃は田舎のかわいい少女的でしたが、今は歳を取っても未だにカッコ良い、渋いおばちゃんという感じです。とにかくカッコ良い。グラミー賞も10回くらい取っているのかな。

20歳過ぎにデビューしていますが、そのデビューアルバムがすでにボニーの音楽の世界観を表現しているような完成された内容です。バッファロースプリングフィールドの「Bluebird」(Stephen Stills作)をオリジナルとは違うアレンジカバーしているのですが、これがカッコ良い。
その後なかなかヒットしない時代もあったりプライベートでの困難があったりもしたようですが、1980年代終わりにAOR的なアルバムがヒットし、脚光を浴びます。このアルバムは、いわゆるAOR的なお洒落なサウンドながら、ボニーのエッジの利いたギターやブルージーな歌も活かされているとても良い内容です(個人的に好き)。

ボニーのスライドギターは、複雑でユニークフレーズを弾くというよりは、ある意味王道なフレージングなのですが、音程を狙うアプローチの粘り方が独特というか、そのあたりの泥臭さに本物感があります。ズイ〜ンとコードを弾くだけでカッコ良いというか。スライドギターは、その粘り方に味が出ます。若い頃は赤いストラトを使っていましたが、近年はなんか暗い地味なブラウンのストラトを使っています。歳行くと派手な色持つと顔色がくすんで見えるからでしょうか、知らんけど(笑)スライドバーは、写真や映像で見る限りだいたいガラスのやつを使っているんじゃないでしょうか。金属のより少しマイルドな音がします。

エレキギターを弾く人、ブルース好きの人の中には、ボニーレイットのファンは多いんじゃないでしょうか。女性もボニーのファンは多いんじゃないですかね。


<きまぐれアルバム紹介。>

「Nick Of Time」
AORチックで商業路線だという批判的な見方もあるようですが、個人的には好きなアルバムです。ボニーレイットの個性が失われずソフィスティケイトされているように思います。全曲をひとことずつご紹介します。

*Nick Of Time:タイトル曲。ミドルテンポの心地よいリズムとボニーの歌でリラックスした中に哀愁がある良い歌です。*Thing Called Love:2曲目から、エッジの利いたカッコ良いスライドギターが聴けます。カントリーブルース調ですが泥臭すぎず聴きやすいテイストにまとめられています。*Love Letter:オーガニックなサウンドでアコースティックギターもカッコ良い。ボニーの独特の歌い回しを堪能できます。*Cry On My Shoulder:いわゆるAOR的なサウンドですが、ボトルネックギターがカッコ良く響いています。*Real Man:R&B調のエネルギーのある曲。ボニーのボトルネックも堪能できます。*Nobody’s Girl:アメリカの草原を想起させるようなカントリー調の曲。こういう曲も良く演奏します。ボニーの歌がよく似合う。*Have A Heart:アルバムの中では少し異彩を放っているレゲェ調の曲。こういう曲はライブでやるとよりカッコ良いのかも知れません。*Too Soon To Tell:非常にゆったりとしたテンポにのってメロウな歌とギターが流れる心地よい曲。*I Will Not Be Denied:かつてカバーでヒットしたRunawayに似たR&B調の曲。*I Ain’t Gonna Let You Break My Heart Again:ボニーの声と歌い回しを堪能できるバラード。*The Road’s My Middle Name:ボニーお得意のカントリーブルース。こういう曲を最後に持ってきているのがうれしい。


アマゾンで「ボニーレイット」を探す。

タイトルとURLをコピーしました