〜MS-50Gの活用術〜
マルチエフェクターの一番の利点は、いろいろなエフェクターが詰まっているコンビニエンスなことです。さらにその中にステレオ出力できるものもあり、MS-50Gなどは、こんなコンパクトなのにステレオ出力できるのです。
実際、ライブ等でステレオを使うには、アンプを2台使うかPAの方で2チャンネル使って左右に振り分けてもらわないといけないとか、なかなか面倒なことも多いですが、宅録派ならあっというまにステレオにできます。このステレオになっているというのは意外に面白いものである種の快感があります。
準備
MS-50Gで言えば、ステレオになっているエフェクトは、Stereo DlyとStereo Choです。つまりディレイとコーラスですね。
宅録の場合、環境的に必要なのが2ch以上を同時録音できるオーディオインターフェースとDAWです。入力がひとつしかないタイプは、もちろんステレオにできません。
もうひとつ注意しないといけないのは、ステレオエフェクトはMS-50Gのパッチの中の一番最後に置かなければならないことです。ステレオエフェクトの後に普通のを入れてしまうとモノラルになってしまいます。
Stereo Deley
サンプル1:普通のロングエコー
左右に分かれることで広がりがでます。なおこのサンプルでは、リバーブをかけています。ディレイタイムは700secです。
サンプル2:ブライアンメイ的リピートエコー
文字通りブライアンメイが「Brighten Rock」でやっているリピートエコーを使った多重ソロです。当時のブライアンメイは、ローランドのテープエコーを2〜3台使い、アンプを左右中央に置いてと大がかりな装置が必要でしたが、それがこのマルチストンプと宅録環境だけでできるわけです。時代ですね〜
アナログ時代はディレイであれだけのディレイタイムが作れるものが少なかったですが、デジタルになってからは1000~2000secくらいまで当たり前にあります。
ブライアンメイ的なリピートは概ね900sec前後でできます。設定としては、片方を900sec、もう片方を倍の1800secに設定します。後は、そのリピートタイムに合わせて弾くって感じですね。
サンプル3:スラップエコー
ロカビリーなどで使われる短いディレイもステレオにするといかにも狭い空間で響いているといういい感じになります。
サンプル4:短いエコー
●下記はJeff Beck Fan.netのコンテンツから。
Stereo Chorus
元の音と変調された音が左右に分かれるので濁りがなくなります。レイテンシーの違いで広がり感も微妙に変わります。
サンプル1:ノーマルレイテンシー
サンプル2:速いレイテンシー
サンプル3:遅いレイテンシー
サンプル4:モノラルの場合
実はこのコーラスはモノラルでも良いテイストなんです。
こんな小さな装置で手軽にこんな音作りが手軽にできるって素晴らしいですね。
マルチストンプは、小さいながらひとつもっておけば、ドラえもんのポケット!