進化したストンプボックス、ZOOM MS-50G+の概要。

マルチエフェクター
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他の記事で散々MS-50Gが便利だと書いていますが、何年かぶりにその進化形MS-50G+が発売されたので早速手に入れてみました。早速と言っても、市場の期待値は高かったようで初回ロットは秒速完売になり、出遅れた私は2ヶ月後にやっと手に入れた次第です。

全体:MS-50Gを土台に使いやすさが進化。

勝手に「進化形」と書いていますが、機能的には劇的に変貌したというのではなく、現場作業がやりやすいように便利さがプラスされたという感じでしょうか。劇的な変化はないけれど、MS-50Gにはなかった「プリセレクト」機能や編集方法など細かい点がいくつも変更されています。逆に劇的に進化して別物になってしまうと困ります。MS-50Gをコンセプトを崩さない範囲で、利便性を向上させたという感じでしょうか。ただ、ソフトウエアのインターフェースが大幅に変更されているので、MS-50Gを使っていた人は一瞬戸惑うかも知れません。
また、エフェクトやパッチの管理がiPhoneやiPadでできるようになりました。これも便利だと思います。

各部の進化

スイッチとディスプレイ

元々MS-50Gはよくできていましたが、使い勝手はさらに良くなったのではないかと思います。フットスイッチの横にレイアウトされた上下左右のボタンにより、演奏中、曲間などに、パッチをチェンジしたり、パッチ内でエフェクトを選んでオンオフしたりという現場操作ができるようになりました。

ZOOMのサイトにあるようなブーツで踏み分けるのは、なかなか慣れが必要な気がしますが、指で押すのは何も問題がありません。このスイッチとプリセレクト機能により、MS-50Gでは難しかったライブ中の「パッチチェンジ」や「同じパッチ内でのON-OFFするエフェクトのチェンジ」も可能になりました。

内部構造

MS-50Gに同じZOOMのG3nなどのパッチの概念を融合させたような構造です。そのためG3nにあるようなプリセレクト機能やプリセットされたパッチなどもあります。プリセットパッチには、複数のエフェクトをセットしたものだけでなく、単品でパラメーターを何らかのコンセプトで設定したシンプルなものもあり、意外とこういうものが便利そうです。パッチのコピーもできるので、ひとつのパッチを土台にバリエーション展開を作ることができます。この複製機能はG3nなどにもない機能でとても便利だと思います。G3nにもつけてほしい。

パラメーター

パラメーターの表示は好き嫌いが分かれるかも知れません。MS-50Gは、実際のメモリが目に見えるインターフェースでしたが、MS-50G+では数値になってしまいました。画面構成上の制約なのでしょうか。前の方が直感的で分かりやすかったです。

左:MS-50+ 右:MS-50G

エフェクト

新たなエフェクトも追加されていますが、なくなっているものもあります。個人的にはZ-Cleanが好きでしたがありません。ただ、代わりに使えるRC Boostががあるので、それを使えばよいということかも知れません。

エフェクトの選択

MS-50G+では、すべてのエフェクトがカテゴリーごとに大きなマップ上に配置されてデータベースになっています。選ぶ際には、そこを上下左右に移動しながら選ぶという風になっています。カテゴリーによってディスプレーの色が変わります。これは慣れるほどに使いやすくなっていくと思います。マップ全体が頭に入れば、最短距離で目的のエフェクトにいける様になると思います。

その他

電源

電源は、単三電池2本、ACアダプターの他、モバイルバッテリーからもUSB-Cで給電できるようになっています。単三電池2本で使えるのはうれしいですね。私は、練習以外は充電タイプを使っています。ライブやセッションでのセッティング時に、いちいちACアダプタを繋ぐのは煩わしいので。細かい点ですが、電池ボックスには電池を取り出しやすいようにテープがつきました。こういう細かいことがとても便利だったりします。

筐体

筐体サイズや重量は、MS-50Gとほぼ同じ。テイストはアイボリー塗装で少しアナログ的なイメージもあり高級感もあり、ビンテージモダンと言ったら良いかも知れません。個人的には結構気に入っています。

パッチづくり

パッチの作り方は、従来と同じで、パッチの土台を作って、そこにエフェクトを並べていくというスタイルです。ただ、パッチの作成やエフェクトの選択などの編集のやり方は大幅に変わっているので、最初は戸惑うかも知れません。しかし、これは慣れの問題で慣れたらMS-50+の方が編集しやすいと思います。頭の中にパッチやエフェクトのリストの地図が描けるようになれば、抜群に操作しやすくなると思います。パッチの名前の入力もしやすくなっています。また、パッチのコピーができるのがとても便利です。基本的なギターサウンドが共通で、異なるエフェクトを足してバリエーションを作るときなどに’重宝します。エフェクトの場所移動もやりやすくなっています。

エフェクトの場所移動は、移動したいエフェクト上で場所移動のメニュー「MOVE EFFECT」を選び、左右の黒いフットスイッチを押して移動。

MS-50G+は買いか?

MS-50Gを持っていない人は・・・

MS-50Gを使っていない人には確実に買いだと思います。これだけの機能と内容でこの価格は安すぎると言っても過言ではありません。コスパは非常に高いです。他の記事でも書いていますが、これ単体でも、他のストンプボックスと一緒に組み込んでも非常に使いでのある装置です。持っていない方が不思議なくらいです(笑)

MS-50Gを持っている人は・・・

MS-50Gを持っている人にはどうか。これは人によって思いが湧かれると思います。冒頭にも書いたように、劇的に変貌したというわけではありません。MS-50Gではできないこともありますが、それは主に現場作業だったり、編集の利便性だったりです。プリセレクトができるので便利ですが、人によっては不要な機能かも知れません。逆にパラメーターの表示がグラフィックから数値になって締まったのが使いにくいと感じる人もいるかも知れません。

もうひとつの考え方は、買い換えるのではなく、MS-50Gに加えてMS-50G+も持つという考え方です。このマルチストンプ2台を使うとまたできる事が生まれます。

まとめ

単体のエフェクターはもちろん良いですが、便利なマルチエフェクターも併用すると、音楽活動の楽しさが広がると思います。マルチストンプボックスというユニークなアイデアは、使い人のアイデア次第で表現の可能性とギター演奏の楽しみを広げてくれます。

エフェクターに凝ったとしても、ギターサウンドはやはり腕がものを言います。エフェクターの問題で時間を取られるよりはマルチを使ってさくさくっと解決し、その時間に練習をした方がギターサウンドは向上するのではないでしょうか。そういう面も含めてMS-50G+は、MS-50G以上に可能性を広げてくれる装置であると思います。って褒めすぎか(笑)でも面白い装置だと思います。

追って、詳細をご紹介します。

ZOOM ズーム マルチストンプボックス マルチレイヤーIR搭載 2023年発売 MS-50G+ 白
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