練習やライブを簡単にラインレコーディング。新たな楽しみと演奏の発見がある。

機材・装置
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練習スタジオやライブハウスで、ラインレコーディングを手軽にやろうという話です。
アマチュアバンドで練習やライブをレコーダーで録音している方は多いと思いますが、ライン録音している方は少ないのではないでしょうか。スタジオによっては、無料でライン録音してくれるサービスを行っているところもありますし、ライブハウスでもお店側で撮影した映像データをくれるところもあり、その音声はミキサーからの音源だったりします。

ライン録音の良さ

レコーダーでの録音とライン録音で何が違うか?音の鮮明さが圧倒的に違います。
音が鮮明だと何が違うかといえば、まず演奏の細かい良し悪しが露わになります。これは演奏の点検に最適です。弾けているようでちゃんと弾けていなかったり、逆に結構いい感じで演奏されていたりと言ったチェックに最適です。

もうひとつ良いところは楽しいことです(笑)音質が良いことは、素朴に楽しいものです。これは人によるのかもしれませんが、特にライブの音がクリアな音で残っているのは楽しいものです。後から少しリバーブ処理などをするとライブの臨場感がでてライブアルバムのようにできます。レコーダーのマイク録っているのとは全然違います。

別の記事で照会しているチャーさんのZiCCA Pickerなどはそれをプロの現場で実践しているようなもので、新しい楽しみを発掘していると思います。

そう言った事を手軽にできる範囲でやろうと言う事です。特に小編成のアコースティックユニットなら驚くほど簡単にできます。ただし、すべてのスタジオやライブハウスでできると言うわけではありません。ある要件の揃った場合にできると言うものなのでご注意ください。

ライン録音できる要件。

1.各楽器の音がマイクやラインなど何らかの方法でミキサーを通っている。
ラインはミキサーから取るので、練習スタジオなどでは、打楽器などにもマイクを立てる必要が出てきます。ただし、小さなスタジオではミキサーのチャンネルが足りない場合もありますし、ライブハウスでもドラムやギターアンプにマイクがない場合は多いので要注意です。

2.ミキサーにサブのアウトプットがある。
サブのアウトプットがないとレコーダーをつなげません。

3.ライブハウスなどの協力
ライブハウスなどでは、ミキサーにレコーダーをつながせていただかないといけないので親しいところでないと難しいかも知れません。お店にとっては何のメリットもなく、場合によっては煩雑なことがひとつ増えるだけだと思うので、迷惑をかけそうだったら諦めましょう。

また、ある程度のオーディオの知識(インピーダンスの違いがわかるくらい)がないとミキサーのアウトプットを見つけるのが難しいかも知れません(大概のバンドはメンバーの中に1人は詳しい人がいると思いますが)。

以下、録音方法と加工方法に分けて説明します。

録音

準備するもの

1.レコーダー(スマホでもできなくはない)
2.ミキサーからレコーダーに接続するコード
3.1につないでモニターできるイヤホン

基本的にはこれだけです。
写真は一例ですが、それで説明します。

左から、ミキサーにg繋ぐコード(2種)、レコーダー、イヤホン

基本的にはミキサーのラインアウトをレコーダーにつなぐ。それだけです(笑)
ただ、ミキサーのラインアウトを見つけるのが結構難しかったりします。メーカーや仕様によって、ラインアウト、サブアウト、テープアウト、ステレオアウトなどさまざまな名称になっているからです。中には同じようなアウトプットがいくつもある場合もあり、どれにつないだら良いのか分からないこともあります(用途別に用意してあるだけでどれにつないでも良い場合が多いですが)。

そう言う場合、特に良く使うスタジオやライブハウスなどでは事前にミキサーの品番を調べてネットで取説を検索すると大概見つかります。取説を見るとどれにつなげば良いかが分かります。この時に、ある程度のオーディオの知識がないと何が書いてあるのか用語が分からないと言うことがあるかも知れません。

つないだら、あとは音が歪まず小さすぎない録音レベルの設定だけです。この時にイヤホンがある方が分かりやすいと思います。自動録音レベル調整モードは、ダイナミクスがおかしくなるので使わない方がよいと思います。

接続コードについて

ミキサー側は大概6.5ミリの標準ジャックですが、ピンの場合もあります。接続して録音レベルを調節したらあとは録りっぱなしにしておけば良いと思います。後で加工するなら曲ごとに切らずに録りっぱなしにする方が一括処理ができるので便利です。

後処理・・・EQ(イコライザー)+リバーブ

演奏のチェックだけなら、録りっぱなしの音源だけでも十分だと思いますが、記録として残したい場合や他人に聞かせたい場合は、多少の加工をする方が良いと思います。
特にライブハウスからの音源はあくまでPAで聞かせるために調整されたものなので低域がカットされてスカスカになっていたりする場合があります。

必要なもの

1.パソコン
スマホでもできなくないと思いますが、パソコンの方がやりやすいと思います。

2.音声データを扱えるソフト
DAWをお持ちならそれが便利です。Macの方なら無料で付属しているガレージバンドでバッチリです。iPhoneでやろうと言う場合もガレージバンドを買うのが安くて便利です。

作業の流れ

ややこしいものではありません。レコーダーから音声データを取り込み、処理をして、曲ごとに切り分けるだけです。

処理すること

EQとリバーブだけで充分だと思います。

●EQ(=音質の調整)
スタジオでの録音ならあまり必要がないかも知れません。ライブハウスでの録音の場合は、先述したように低域がカットされている場合があるのでそこを補えば良いと思います。ボーカルがはっきりしない場合は1k〜2k辺りを少し上げて見ると良いかも知れません。

●リバーブ
ライン録音は本当に生音なのでリバーブを少しかけると奥行きが出て見違える(聞き違える?)ようなトーンになります。ライン録音とレコーダーでの録音の楽しさの差が明確に出ます。

とりあえずここまでで終わりです。後は曲ごとに切り分けるのかどうかです。

さらに手をかけてライブアルバムに

ライブの録音をライブアルバム的に仕上げるアイデアです。録音時に別のレコーダーで会場の音も録っておいて、ライン録音に少しミックスするとライブの臨場感が加わります。PAからの音は基本的には低域も含めてバランス良くなっているはずなのでライン録音を補完できる場合もあります。
ライブの映像をビデオで撮っているバンドも多いですが、その場合は逆にビデオ編集時にライン録音をミックスすると良いと思います。
Adobe Premiere Proなどの本格的な動画編集ソフトなら、編集画面でイコライザーやリバーブ処理もできます。音声がライン録音になるとプロモ映像としても全然違ってきます。

ただ、ここまでするのはとても手間がかかりますけどね(^^)

6.5×2—-3.5接続コード

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