チューニングの沼。

弾き方
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チューニングの課題

ギターを演奏するのにチューニングは避けて通れない作業です。よほどのプロでもない限り、チューニングは自分でやるしかありません。チューニングの合っていないギターは聞きづらいし演奏していても不快ですので、ここは大事なところなのです。しかし、どうやっても合わない負のスパイラルに陥ってしまうことがあります。

チューニングには、弦の太さや特性、ペグの特性や精度、ナットやブリッジの特性や摩擦度合い、そして演奏者の耳、さらにはその場の気温も関係します。これが結構厄介で、チューニングをして寒い控え室においていたギターを暖かいステージに持っていくと、時間とともに弦が緩んでチューニングが崩れるということも起こってきます。

このようにたとえ微差だとしてもチューニングを動かす物理的な要素がたくさんあるので、状況が重なると気になるくらいズレてしまうということも起こって不思議ではないと思います。

チューニングメーターは便利なのですが、ちゃんと合わせても合っていないように感じることがあります。なんでかなぁと思っていたのですが、実はギターという楽器は構造的にちゃんとチューニングできないそうですね。へぇ~!って感じです。だから、あるときどうやっても合っていないと感じるのは、あながち幻想でもないということですね。

ネットで調べると、精密に測定して各弦をどの程度ずらして調弦するとバランスが良いかという結論を出している人もいます。

チューニングが乱れる原因

チューニングが合いにくい場合は、まずペグを点検する必要があるかも知れません。ここの精度が悪いとどうしても合いにくいです。

また、アコギだとカポをしたときに狂う、ストラトキャスターなどではトレモロで狂うという演奏中の問題もあります。
さらに言えば、そもそも弦のオクターブ調整がちゃんとできているかという問題もあります。

ですから実際、ギターのチューニングというのは、乱れやすい環境にあると言えるでしょう。だから、それぞれの対策を用意しておいて都度対応しながら、だましだましやる(笑)ということしか仕方がないということだと思います。

また、ピアノの調律で分かるように人間の耳というのは、必ずしも数値通りには聞こえないということにも留意する必要があります。極論を言えば、神経質にちゃんと調弦することにはあまり意味がないとも言えるかも知れません。耳が全てというか、耳で判断するしかないということですね。

元祖、音叉とハーモニクスで合わせる

チューニングメーターしか使わないという人が増えているようで、この合わせ方をご存じない方なども散見されるのでご紹介。

昔はチューニングといえばこの方法でした。一般的なのはAの音叉でつくえなどを叩いて机やギターなどにつけて音を出し。その音に調弦するやり方です。ハーモニクスでやるとうねりが出るので合わせやすいです。
具体的には、音叉を鳴らしてギターのボディにつけて音を出し、5弦5フレットでハーモニクスを鳴らします。合ってないとうねりが出るので分かりやすいです。うねりがなくなると合ったということです。この方法は、音叉がなくても他の楽器でAさえもらえたら調弦できるので便利です。欠点はステージ上でなんらか音が出てしまうことです。多少は良いでしょうが、あまりステージ上で音を鳴らして調弦するというのはライブのムードを壊してしまいますので留意すべきかと思います。

チューニングメーターで合わせる

チューニングメーターは、目で見て分かるので便利ですが、ギターという楽器がいい加減なので、ぴったりと合わせるのは結構難しいのではないでしょうか。弾くと多少は狂いますしね。このため、「メーターでは合っているのに、弾くとなんか合っていない」という現象が起こります。特に3~1弦が気になる場合が多いのではないでしょうか。ペグの癖などもあるのでズレてしまいます。
また、先述したように、そもそも数値的に合わせても合わない構造だということなので、ジャストに合わせる意味もないとも言えます。これには、ギターごとにそのくせをつかんで、微妙に(ほんと微妙に)ずらして合わせておくということしかないように思います。

この方法にはスマホのアプリで合わせるというのも入ります。スマホのアプリは便利ですね。いつでも持っていますから。私はほとんどスマホのアプリで合わせています。なんとも便利な時代ですね。
チューニングメーターは、写真のような単体のもの、クリップ式のもの、エフェクターのようにケーブルで繋ぐタイプ、あるいはアンプにもチューナーが組み込まれたものがあります。

ライブでのチューニング

ライブの曲間や時には演奏中に調弦が必要な場合があります。そういうときにチューナーが、ペダル形状のものや、マルチエフェクターなどでは、チューナー機能が備わっているので、曲間に足の操作で音を出さずに調弦が可能です。そういう面でもマルチエフェクターは便利です。
一方ギターに取り付けるタイプのクリップ式チューナーというのもあるので、アコギをラインでPAに繋がずに使う場合や、エレキでもアンプまでの間にチューナーを入れない場合は便利です。

中でも、ヘッドの裏側につけるタイプなら、お客さんからも目立たなくて良いと思います。個人的には、ライブ本番でヘッドからチューナーが飛び出しているのは、お客さんに楽屋裏を見せているようであまり好みではありません。できれば、足元で調弦をチェックするほうがスマートではないでしょうか。この辺りは考え方によると思います。

シンクロナイズドトレモロの問題

最近はシンクロナイズドトレモロのことをワーミーバーなどと呼んだりするようですが、これによるチューニングの乱れはストラト使いには永遠の課題で、もう諦めてしまっている場合も多いと思います。どんなに高精度のブリッジやナットを使っても弦を頻繁に伸縮させているので、理屈で考えると音が狂わないはずはありません。
エディバンヘイレンが使っていたような弦をブリッジとナットのボルトで固定するフロイトローズタイプのブリッジもありますが嵩張るし面倒です。ペグやナットで簡単に固定するタイプもあります。中には、そういう固定式を使わなくても全く狂いを感じないギターもありますが、この辺りは調整だけでなくパーツの相性もあるようですが定かではありません。
大概は、トレモロを激しく使うと少し音が高くなってしまうのですが、一度チョーキングするともとに戻ります。
曲やトレモロの使い方にもよりますが、何らか狂う場合は、その程度を把握しておき、どこかでチョーキングを入れてもとに戻したり、ズレを勘案しながら微妙にチョーキングしながら弾いたりということで切り抜けるというのが、標準的な対策ではないでしょうか。
Charさんも同様のことを話していたし、Charさんがジェフ・ベックを見たときに、ベックもそうしているはずだと話していました。この対策はかなり慣れが必要だとは思いますが。
ジミヘンのライブで、演奏が終わってからチューニングを確かめるようにコードを弾いているのがあって、めちゃめちゃ狂っているのですが、演奏では全く感じませんでした。狂いを意識して弾いていたんでしょうね。そもそも、トレモロ付のストラトにきれいなチューニングを求めることが無理なのだとも言えます(笑)

カポで乱れる場合

カポについてのページでも触れていますが、細い弦を使っているときにカポタストをすると、テンションが変わってチューニングが乱れる場合があります。カポをするフレットの位置やもっと言えばフレットの形状(高さ)によってもズレ方が違ってきます。これも結局、ズレ方を把握して都度チューニング修正するか、ネジ式のカポで押さえ方を微妙に調整するしかないと思います。ただ、アコギでライトゲージ以上を使っている場合は起こりにくいと思います。

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