Player誌が休刊!

カルチャー
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あのPlayer誌が2023年6月発売号で休刊になるそうです。最後の号が発売になりました。奇しくもジェフベックがなくなった年にプレイヤー誌も休刊になるとは。なにかひとつの時代が終わったような気さえします。表紙の写真がまた泣ける(笑)5月にクラプトン主催で行われたジェフベックのトリビュートコンサートの一シーン。最後の出演者のロッドのステージの時でしょうか。さすがカメラマン、良いシーンを逃しませんね。ジェフベックを介した2人の友情が伝わってくるかのようです。この写真を表紙に選んだ編集部のセンスもうれしい!!トリビュートコンサートは、中身の記事でも詳しく紹介してありました。

貴重な情報源だった雑誌

「Player」この雑誌は、バンドをやっていたら読んだことのない人はいないんじゃないでしょうか。私もロックを聴き始めた頃に知りました。プレイヤーが1968年創刊だそうなので5年目あたりから読み始めていたのかも知れません。メディアと言えば、TVラジオ新聞雑誌しかない時代。こういう雑誌は貴重な情報源で、お金のない高校性はたまに買ったり、友だちと回し読みしたり立ち読みしたりで、かなり隅々まで読んでいたような気がします。

特にいろいろなギターやアンプの情報が載っていたのをワクワクしながら見ていました。70年代ですからまだまだロックの歴史が始まって間がなく、新しいバンドや楽器の情報にワクワクしていました。毎号ジェフベックをはじめ、CSN&Yや好きなギタリストの情報がないか隅々まで探していました。今でこそどこのスタジオにもマーシャルが置いてありますが、当時はお目にかかることすら珍しくしかも高価で(1ドル360円の時代です)、雑誌に載っている写真を見ながら、実際どんな音がするのかとか想像していました。また当時は海外のバンドが来日することすら珍しく、来日したバンドの機材が紹介されているのは、本当にリアルで自分の中に新しい風が吹くのでした。その頃、音楽雑誌は、ミュージックライフ、ライトミュージック、音楽専科、そしてプレイヤーくらいだったでしょうか。中でもプレイヤー誌は、一番バンドマン寄りで、まだバンドをやっている人自体が少なくある種の特別感もありました。専門的な情報もふんだんにあって、随分勉強になりました。

The Beck Book

ジェフベックファンにとっては、なんといっても別冊としてのThe Beck Bookが特筆すべきできごとでした。あまりプライベートなどを見せないジェフベックの自宅が矢嶋トシ氏の取材で紹介されて、そこに置かれていた珍しいギターや、BBAで散々憧れた”黒い”レスポールを詳しく見ることができました。この本は本当に宝です。取材中にコージーパウエルが訪ねてきて二人で写っている写真は、まさに第二期ジェフベックグループのリアリティ。当時は、第二期ジェフベックグループも解散してまだ、5,6年といった時代でした。バンドをやめて社会人になってからは少し疎遠になっていましたが、書店で見かけて開くとバンドの匂いにあふれていて、懐かしさがこみ上げてきて、社会人としてバンドとは別世界に居る自分に人生を感じたものです(笑)しかし、ジェフベックの情報だけはチェックしていたので、それらの蓄積が、Jeff Beck Fan.netのWebサイトへとつながりました。

インターネットの時代に。

インターネットが普及してから世の中は変わりましたね。そして動画サイトやSNSの発達。Player誌がになっていた情報がどんどん市井から、世界から発信されるようになりました。アーチスト自身も自分で発信するようになり、速報性では雑誌は勝てるはずがありません。

しかし、紙媒体、手で触る紙の質感やページをめくる感じ、ペラペラとページをブラウジングするワクワク感は紙の雑誌独特のものです。ページをめくっていて出てきたギターの写真に目を奪われたり、記事の見出しに興味がメラメラと沸き起こったり、記事を読みながら周囲の写真を見たり。紙はレイアウトが自由です。そういう五感的な刺激はネットメディアにはないんですね。CDとレコードの存在感が違うように、ネットと雑誌の存在感も違います。そういう存在感、リアリティというか、そういう感覚は人間には必要だと思います。


Player誌関係者の皆さまお疲れ様でした。Player誌で長年にわたって楽しみを蓄積してきたおかげで、おっさんになっても退屈せず、ワクワクしながら日々を過ごせていると思います。廃刊ではなく休刊とのことなので、また違うカタチででもPlayerに出会えることを楽しみにしています。
本当にありがとうございましたという気持ちです。

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