ロック七不思議のひとつで昔からあるのが「ジミーペイジはなぜ下手なのか?」です。
「下手」というのは、レッドツェッペリンのアルバムで、エレキのギターソロになると、フレーズがもたるというか、速いフレーズになるとピッキングが曖昧になってリズムがおかしくなって、下手くそなアマチュアみたいになるものが多いと言うことです。
例え、その場でそうだったとしても、普通、録り直さないか?と、思いますよねぇ。私もずっと、今でも不思議です。
無理矢理考えた答えは「ギターソロを重視していないから」です。
レッドツェッペリンの楽曲や演奏は、リフ中心のモノが多く、そういうフォーマットこそが最も大事で、そのフォーマットでのノリの良さこそが最も大事だと思っていたからではないかということです。
おそらくレコーディング時は、ツアーの前であり、それらの楽曲の演奏回数も少なく、慣れていない状態であり、その状態で録り直す、あるいはソロを丁寧に弾くことで、全体のノリが失われるのを嫌ったのではないかという考え方です。
海外のレコーディングって、割とそういう所ありますよね。ジェフベックのアルバムには、弾き損じや間違えたっぽいところたくさんありますし、ビートルズにも中途半端に弾くのをやめてるヤツとかありますしね。日本だったら、録り直しですよね。
全体のノリや空気感を重視したのではないかと思うもうひとつの理由は、ジミーの自伝で、ジョンボーナムのドラムのレコーディングについて「空気も録らないといけない」と書いていることです。良く考えたらレッドツェッペリンのドラムの音は、オンマイクな音ではないですよね。お城の踊り場で録ったりしていたそうです。つまり、ドラムという楽器の響き方やその場の空気感、ノリなども含めて演奏のノリが出るという事ではないかって。
パートごとに録っていく多重録音ではないロック的、ライブ的ノリを大切にしたいために、ギターソロの多少の乱れは気にしないという方針だったのではないかと言うことです。なので、ソロが乱れていても、リフやバッキングが乱れるということはありません。
また、そういうノリ楽曲ではない、アコースティックの曲などでは、めちゃめちゃ上手いですし、ヤードバーズ以前のスタジオワークのギターは普通に上手いです。
あと、「ギターを低い位置に構えるので、弾きにくくて、ああなってしまうのではないか」という意見もあるようですが、レコーディングでは普通に持っているのではないんでしょうかね。
まあ、とにかく、全体のノリの良さこそ命と思っていたのではないかと。「おめえは細かいことにこだわってるから、ノリがわりぃんだよ〜」って言われているような気さえします(笑)
いずれにしても、この回答案はあくまで推測ですので、真実は謎のままです(笑)