ワウワウというエフェクターは、最近はワーミーペダルとも呼ばれるようですが、オーソドックスなエフェクターの中でも効果抜群というか、面白い気持ちの良いエフェクターです。雑誌などでもあまり書かれていないのですが、複数のエフェクターを使う場合、ワウワウは、どこの場所に入れるかで効果が大きく変わってきます。
ウワウ効果の違い。
アンプ側に入れるほどワウ効果は大きくなりますが、しかし、それが望む音かと言えばそうとも限りません。そこが非常に難しいところで、特に歪みの前に入れるか後に入れるかでは、ワイルドさが違ってきます。
例えば、ジミヘンやクリーム時代のクラプトンのような閉じたときにも倍音が出ているような音は、歪みの前に入れないと出ません。
考えて見ると分かりますが、ジミヘンなどは、アンプで歪みをつくっていましたから、歪ますのはワウの後、つまりワクで変えられた音を歪ましているワケです。逆に、ワウの前に歪みを入れてしまうと、歪みで強調される倍音も含めてワウをかけるので、ある意味抜けの悪い丸い音になってしまいます。しかし、音楽によればその音の方がよいという場合もあると思います。
特に歪ませる場合は、ワウの後の歪ませ方で、ワウ効果や音色もかなり違ってきます。同様に空間系なども前後でとても効果が違ってきます。
ワウの種類
有名なクライベイビーを始め、ジミヘンが使っていたことで有名なVOXほか、今ではいろいろなワウがあります。
音がどう違うのかというのは、それぞれのキャラクターもあるでしょうが、個人的には、それよりも先に書いた、前後位置や歪ませ方など、使い方による音色変化の方が大きいように思います。
個人的に便利だなあと思うのは、マルチエフェクターのエキスプレッションペダルです（私の場合はZOOM)。ワウに関して、周波数の範囲や倍音の量など細かい調整ができるので、クライベイビー風にもボックス風にも（違いが良く分かりませんが）好みの効果にできます。もちろん、クライベイビー、あるいは専用機を使うのが良いのだ、あの独特の踏む感じが好きだというマインドも充分分かります。それはそれでアリだと思います。ただ、重いので（笑）
ワクの名演
ワウワウと言えばファンクのイメージですが、ロックでもカッコよく使われています。ワウの名演はたくさんあるでしょうが、ジミヘンのVoodoo Childなんかは、昔憧れましたね。ワウを入れたらとりあえずこれを弾いてみるという（笑）ジミヘンのは、やはり単にチャカポコするのではなく、中間の音や音の変わり方をフレーズの表情にまでしたというのでカッコよかったのではないでしょうか。ペダルの中間の倍音の強調された音とかをカッコよく使ってました。Machine Gunでは、トレモロアームもつかって、マシンガンや爆弾が落ちるような音もやっていましたね。めちゃめちゃカッコ良いです。
ウッドストックのステージ写真でVOXのペダルが見えていて、カッコよくてVOXを買ってしまいました（笑）ジミヘンのワクワクには本当か嘘なのか伝説があります。ある日、ワウワウについて、何か他のはないのかと言われたメカニックがいくつかの種類を順に出して試奏させたのですがジミヘンがどれも気に入らない。困ったスタッフは、黙って最初に出したヤツを出したそうなのですが、ジミは「おお、これ、良いじゃないか！なんでこれを最初に出さないんだ」と言ったとか（笑）
あと有名なのは、クリームのWhite Roomですかね〜。Presens Of The Roadのもカッコ良いですね。
ジェフベックにも名演があります。ジェフベックはクライベイビーを使っていたそうです。ワウワウと言えば、Got The Feelingですね。この16ビートのファンク風ワウワウをロックの場面でやるというのは画期的だったはずです。次のアルバムでは、Definitely Maybeで、ワウのバラード展開というか、美しさの演出に使っているという感じです。その前の第一期には、I ain’t Superstitiousという曲があります。これは、ジミヘンにインスパイアされたのか、喋っているようなかなり難易度の高いワウワウです。同じアルバムのMorning Dewでもワウで色んな音を出しています。渋いところでは、Blow By BlowのTheloniusのサイドギターがファンクの王道のようなワウで、当時のジェフベックが目指していたところが分かります。それ以降は余り使っていなくて、Emotion&Comotion辺りから、強烈なワクの使い方をするようになります。
余談
ゆってぃ
お笑い芸人の「ゆってぃ」さんの持ちギャグ「チッチャイことは気にするな! それ、ワカチコ! ワカチコ!」の「ワカチコ」は、ファンクのカッティングのワウワウから来ているのではないかと思っています。ジェフベックのGot The Feelingもワカチコ言ってますしね（笑）
ブルーバー
昔、グレコギターからBlueberというワウワウが出ていて、海外のワウの半額くらいだったのですが、これがとてもいい音で、あとで分かったのですがJENと技術提携して作った製品だそうです。要するにOEMなんでしょうね。グレコブランドから出ているけど中身はJEN。学生の頃お金がなくて、これを買ったのですが、思いのほか良くて、ポットを交換したりして長い間使っていました。
