耳コピのすすめ

弾き方
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 以前、音楽専門学校で教えている友人が「今の若い子は耳コピをしない」と言ってました。熱心に研究する人も少ないそうです。
 へぇ〜と思うのは世代間ギャップなのでしょうか。ブルースから入った私たちの世代は、今のように楽譜などの情報がなかったし、そもそも楽譜が苦手なため耳コピでやるしかなかったというのはあります。しかし、耳コピによっていろいろな発見や感動がありそれが面白いというのがありました。今でも耳コピーをしますし、それが趣味としての楽しみだとも言えます。

「コピー」の概念が違う?

 そもそも「コピーをする」という概念も人それぞれなようで、さらに「完コピ」という概念でさえ違うようです(ここで言うのはギターの練習や上達のためのコピーということです)。基本は「どこまでその人になりきれるか」ではないでしょうか。違う言い方をすれば「そっくりさん化する」というか。

 コピーは、フレーズの音を採ってそれが弾けるようになったら完了という人も多いのではないかと思いますが面白いのはその先です。いかにその人のフィーリングが出せるようになるか。同じようにカッコよく弾けるようになるかです。それには、音だけでなく、タッチやタイミング、強弱、ノリなど、すべての要素をコピーし会得しなければ再現できません。少なくともそれをコピーしようとするということは、そのフレーズの格カッコ良さを自分のモノにしたいということでしょうから、それには音を採るだけではダメなのですよね。

 例えば、ブルースブレイカーズ時代のエリッククラプトンのフレーズは、音だけ採るのは比較的簡単です。しかし、同じようにはなかなか弾けないものです。あの独特のちょっと引きずったような感じとか、最後にビブラートで伸びていく感じや、アタックを効かせて一気に入ってくる感じとか、その「感じ」がカッコ良いわけです。こういうことは楽譜には書けないし伝わりません。それを再現するには、何度も聞いて何度も弾いてみて感じを掴むしかありません。スライドギターなんかは特にそうですよね。

 そして、同じように弾けるようになった曉には、もうその感覚は自分にも身についているはずで、無意識に弾いてもそれが自分のタッチや個性のひとつとして出てくるはずなのです。時間はかかりますが、同じように弾けるようになったときの感激は何ものにも替えがたいものがあります。ジェフベックなどは、そもそもどうやって弾いているのか分からないフレーズが多いのでそこの探求から必要です。しかし、それが分かったときの「なるほど感」は半端ないです(笑)

ロックのレジェンドも耳コピ

 楽譜が読めると、音自体はすぐに分かりますから、技術さえあればすぐに弾けるでしょう。しかし、タッチやニュアンス、タイム感は楽譜には表せません。特にロックギターの格好良さはそこだと思うのです。楽譜が読めるとそういう深掘りをせずに先に行ってしまうのかもしれませんね。
しかし、ロックレジェンドの話を聞いていると、みんな耳コピで深掘りをしています。だからこそ、ああいう個性的で味のある演奏ができるのではないでしょうか。もちろん、時代背景もあるでしょうが。

 それより、なんか、耳コピをしないのはギターの大きな楽しみを見落としているような気がします。ま、楽しみ方は人それぞれなので、押しつけようとは思いませんが、「一番楽しいところをやってないんじゃないの?」という気はします。
 これは、ギターだけでなく他のパートも同じなのではないでしょうか。

耳コピの最強アシスタント!YAMAHA Cord Tracker

昔は、カセットテープで再生&巻き戻しを駆使してやりましたが、今は便利なアプリがあります。耳コピに最強のアプリをご紹介します。ヤマハが提供している優れたアプリで、なんと無料です。さすがヤマハ!!

●小節ごと(4分音符ごと)に区切ってくれる。
これ、リピートさせたい部分が分かりやすいし、小節ごとにリピートできるので分かりやすいです。

●大まかなコードが分かる。
たくさん音があるヤツなどは迷走しますが、大まかなコードが分かります。時には見落としていたコードも教えてくれるし、少なくともキイはすぐに分かる。

●スピード、ピッチなどが変えられる。
これが、ラジカセではできなかったことです。複雑なフレーズも解析がやりやすいです。

●ギターやピアノのポジションが表示される。
必ずしも音源と同じポジションではありませんが。

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